ダイナミックロープについて【続】

 

ダイナミックロープの基準は、EN(European Norm)によって定められています。
ここでの衝撃荷重のテストでは、80kgの重量のものを2.8mのロープを使って4.8m落下させることによって実験します。

シングル用ロープでは、この5回の落下テストに耐えなければいけません。
また、この最初の落下テストにおいての衝撃荷重は、12kn以下であることも求められます。
つまり、それだけロープが衝撃荷重を吸収してあげないといけないということです。
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また、最初の落下テストの時に、衝撃荷重を受けたロープの伸び率は40%を超えてはいけないことになっています。
衝撃荷重を受けたさいの伸び率だけではなく、静荷重での伸び率も定められていて80kgの荷を吊るしたときに、10%以下の伸び率であることも必要です。
その他、ロープの外皮と芯のすべりの幅やロープの重量、直径等についての定めもあります。

 

 

ダイナミックロープについて

 

これから数日間に渡ってロープについて私が調べて知っている範囲の事をのせて行きます。
ダイナミックロープとは、伸び率の高いロープで基本的に、リードクライミングのために使用されるロープのことです。
リードクライミングとは、下から下から自分でロープを引きながら壁等に設置した金具にロープを通しながら安全を確保して登るクライミングのことです。
また、リードクライミングと対比されることの多い、トップロープを用いたクライミングは名前の通り上の方から吊るされたロープで安全を確保して登るクライミングのことです。
よって、リードクライミングに用いられるダイナミックロープは、強度が十分にあって、クライマーの墜落時に伸びることによって衝撃を吸収する性能が求められます。
また、クライマーの体重のみが荷重としてかかる場合には、不必要に伸びないためにもあまり伸びすぎないことも要求されます。

 

修正情報

 

 


過去の内容に1点修正がありました。
ヒッチの紹介のところで
コンストラクターヒッチと紹介していましたが以下のように誤りでした。訂正をお願いします。
誤)コンストラクターヒッチ
正)コンストリクターヒッチ
英語の意味は、圧縮するとか獲物を締め殺す大ヘビという意味になります。
巻き結びの端末を結んで処理せずに、一番にひっぱられるロープの下に巻き込んで絞め殺されるところは、正にコンストリクターです。
前回の写真と違う方法で作るなら巻き結び(クローブヒッチ)を通常通り作り、端末を一番最初にひっぱられるロープの下に巻き込めば出来上がりです。

 

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